マンガ表現規制推進派のヘイトスピーチが大変なことに(笑)

johanne2009-10-05

もうすでに一部で話題になっているが、「東京都青少年問題協議会」の公開されている議事録で「識者」の方々によるトンデモ発言が残されている。

友人のムラクモさんが簡潔に要約してくれたので転載。なお、議事録全文のURLは以下の通り。







「第28期東京都青少年問題協議会・議事録」





平成21年1月30日(金)開催
第28期東京都青少年問題協議会 第1回専門部会 発言録




◆世界会議は最初から日本叩きが目的 (議事録P19)


○後藤委員
国際的な取組の代表的なものといたしましては、子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議が3回開催されております。3回目は昨年の11 月にブラジルのリオデジャネイロで行われたところなんですけれども、最初は1996 年にストックホルムで行われまして、ついで2001 年に日本の横浜で行われました。そこで国際的に児童ポルノの問題に取り組んでいこうという決議がされております。第1回の会議というのは、日本をターゲットと言っては何なんですけれども、日本にちゃんと対策をとるように求める会議にもなりました。


◆脅迫状を送ったのは漫画家達である(議事録P33)


○前田部会長
前に青少協でやったときも、ポルノを禁止するというときに、一番強く反対とかメールを送ってきたり、脅迫状とかということをやった人たちは漫画家集団なんです。特に児童ポルノをかいている人たち。この人たちはいわば狂信的なグループではありますよね。
だから、それが怖いから議論が……ということは絶対あってはいけないのだけれども、ただ、狂信という言葉を使ってはいけないので、彼らは真剣にそういう趣味を持っているという面も、そこは理解しなきゃいけないという感じはしたんですね。


平成21年3月26日(木)開催
第28期東京都青少年問題協議会 第4回専門部会 発言録


◆子どもが成人向けサイトを閲覧したら親を罰すべき (議事録P28)


○新谷委員
GREE(※GREE……日記などが掲載できるソーシャルネットワーキングサービス。GEE社が運営) の画面を見てください。漫画が出ていて、ポルノっぽくはないんです。普通の男の子が出てきて、漫画の広告が出ています。その子がこう言います。「先生、私のこと好き?」
「いいんだよ」、別にエロくも何でもないですよね。「やばい、こいつうまいぞ」、こういったものが出ていて、その広告のところに入っていく。そうすると、そういう漫画を買いま
しょうというところに行くんですね。
(略)
反対のペナルティ、偽申告罪、うそを言ってこういうサイトに入ったら、例えば青少年だったら親が、罰則までいかないですけれども、勧告を受けるとか、そういうところまでいかないといけないのかなと。
うそを言ったらこうだぞという申告罪みたいなものも設定しないといけないようになってくるのかなと。

(略)
子どもが被害にあったり犯罪を犯した場合には、その親に対して罰則なり勧告なり、責任を自覚させるようなシステム、規定、そういったものも一歩踏み込んでやってもいいのかなと思います。


平成21年6月25日(木)開催
第28期東京都青少年問題協議会 第7回専門部会 発言録



◆同人誌側も努力してるよ (議事録P13)


○青山青少年課長
 そうですね。同人誌につきましては、結局、中身がどういうものかというのは私どももチェックはしているのですけれども、先ほど申し上げたような知事が指定をして告示をして、それを売らせないようにするという、そういった仕組みになかなか乗りにくいというか、実際に条例を施行するという立場から、この仕組みで指定をすることによる効果というのがなかなか期待できませんので。

ただ逆に、売られている場所がかなり限られていて、秋葉原などの同人誌専門店で売られておりますので、そういう意味では、私どもも、2年ほど前ですが、秋葉原のそういった専門店に対してちょっと中を見せていただいて、基本的には18歳未満の方には見せられないような内容のものについて、例えばフロアを完全に分けていただくとか、あと、コミックマーケットなどでも、主催者側もそういったことには非常に協力的でございますので、その中での指導をちゃんとしてもらいブースで18禁のものを扱っているところには、そういった子どもというか、中高生の方が買えないようにということで、実際にこの条例の趣旨を守っていただくようにということでご説明したり、ある意味、行政指導と言うのかもしれませんけれども、そういったことをやっております。


◆それでもやっぱり根絶したい (議事録P25) 


○後藤委員
先ほどの銅谷会長のご指摘にもありましたが、児童を被写体にしたものについてはこの指定要件に当たらないと。要するに、著しく性的感情を刺激するようなところにも当たらないということですよね。ですから、それはここでは対象外になっているのですけれども、まず1つは、そういうものを対象にする必要があるんじゃないかということと、あとは、そもそも仮に対象にしたとしても、売ってもいいことは変わらないわけですよね。

子どもに売ってはいけないというだけで、売ってもいいことは変わらないということですので、そもそもそういうものを被写体として売ることについて、何らかの規制を青少年健全育成条例で入れるようなことはできないのかということはやはり考えたほうがいいと思うんです。それは児童ポルノ禁止法の問題にもなるのですけれども、その法律だけでいいとするのか、やはりそれぞれの自治体で条例で何らかの考え方を示していくべきではないかというふうに思った次第です。


◆規制をしてあげるのが出版界のため (議事録P33)


○新谷委員
いろいろあるのですけれども、結局、雑誌・図書業界が売れないとか言っていましたけれども、雑誌・図書業界のためにも、きちんとした規制をしてあげることが、結局、悪質な業者、悪質も出版社が淘汰されていくということにもなるので、さっきの方たちに質問ではなくて言いたかったのですが、皆さんのために健全な業者、出版社を生かすために、どんどん悪質なものはペナルティーを科して消していくというような仕組みがかえって皆さんのためにもいいのではないかと思いました。



◆上品な物以外は表現の自由は認めない (議事録P36)


○新谷委員
言論の自由とか表現の自由とおっしゃいますけれども、それはプラスα、芸術性のあるときだと思います。


◆アニメ文化は性犯罪を助長させるから規制せよ (議事録P36)


○新谷委員
私は、青少年が見なければいいとか、そういっただけではなくて、実際に写真じゃなくて漫画だから被害者はいないだろうではなくて、全体でどうしてこんなに小さい子どもが性被害に、昔からこうだったのか。なぜこうなったのか。本当に増えていると思うんです。やはりアニメ文化とか、ロリコン文化が絶対助長していると思います。
ですから、大人が見るものであっても、ビデオでも、それがもとで、たくさん見たから犯罪したくなって犯罪を犯したという人がたくさんいるんですよね。




平成21年7月9日(木)開催
第28期東京都青少年問題協議会 第8回専門部会 発言録


◆議論の中身を正直に話してはいけない (議事録P14)


〇前田部会長
実在しない児童の描写、漫画みたいなものは、先ほどご紹介があったように、
その児童ポルノに関しては今後検討を始めようというのが与党案としては出てきているという段階ですよね。

ただ、これに関しては、この青少協でもそうだったんですが、児童のポルノに関して、先ほどの包括指定か個別指定かどうかという議論もずいぶん反論があったんですが、それに比較にならないぐらい、漫画を規制するということになると激しい議論が来る。

ですから、取り組むべきだと思うんですけれども、外に出すときには、言葉とか、今ご指摘ありましたように、人格を否定する表現とか、かなり詰めてやっていかないと難しいかなと。


◆取り締まりに根拠は必要ない (議事録P18)


〇前田部会長
これは外に出すのが非常に難しくて、幾つかの審議会、国レベルでも東京都でもそうだったんですが、児童ポルノみたいなものがあるから幼児に対する虐待的なものが増えるのか、増えないのか、データが有るのか、無いのか、エビデンスを示せみたいな議論が必ずあるわけですね。

これに関しては警察で、こういうものがあったからと、奈良のやつなんかそうなんですけど、それに刺激されてやったということがあることは事実で、それは新谷委員もおっしゃるとおりなんですが、統計的に、こういうものがあるから増えたという立証は、データとしてはそんなに明確には無いんだということなんですね。


◆漫画家とは議論をしたくない (議事録P20)


〇前田部会長
児童ポルノという意味では、本人がいないんだから法益侵害がないと。片一方では、社会公益、法益に対する罪でわいせつだというと、性器が描かれていないんだからわいせつではない、だから売っていいんだ。

これは18歳未満に売っていいかどうかという問題よりは、世の中でああいうものを販売することを許していいかで、そうすると、今、取り締まるというか、ツールとしては18歳以下でやるしかないんですが、そもそもそういうものを広く売る権利があるという主張はないような気がするんですけれども、その辺のところが今後一つ課題になっていくかなと思いますが、これは漫画家集団の虎のしっぽを踏む行為ですから、これは大変慎重にやらないといけない。
ただ、本質はそういうことだと思っているんですけどね。


◆絵の児童は実在の児童全員である(1) (議事録P22)


〇内山委員
資料3の児童ポルノ、実在しない児童への描写ということですけれども、皆様方の議論を聞いていて感じたことを述べさせていただきます。私、1回抜けているので、もしかしたら勘違いをしているのかもしれないんですけれども。

今聞いていて感じたのは、児童に対する性行為ということで考えられていないのは、子どもに対する人権ということだと思うんですね。描写されている児童は、どの子どもも、描かれている児童となり得るものなので、特に性行為の場合は、相手との了解ということを考えて見ますと、幼い子どもの場合は、性に対する意味とか理解度が著しく欠けていると思うので、そういう子どもに対して、大人と同じような考え、普通の相手と同じだと考えること自体が非常に配慮を欠いたものだと思うわけです。


◆絵の児童は実在の児童全員である(2) (議事録P23)


〇前田部会長
資料3の1.2.にかかわる部分で、実在しない児童の描写のことをどうしていくかというのが一つポイントになっていくかと思うんですが、不健全図書類の指定基準に加えていく、政府に要望するというのはあれですけど、あと、販売自粛を勧告するということですね。

先ほどの議論で、私も理解が不十分だった面があるんですが、今、内山先生が指摘されたことは非常に大事なことで、従来は人格を否定するというと、実在する人たちのことに限って議論しているところが強すぎて、考えてみますと、漫画で描かれた女の子にはみんなが当てはまるので、当てはまる全児童の人格を否定するという捉え方が非常に弱かったと思います。


◆マイノリティの意見を聞く必要は無い (議事録P25)


○新谷委員
今回、信頼されるほう、危険が及ぶ、不愉快に思う、子どもの被害そういったほうのマイナスと、そういった特別な方の楽しみというか、どっちに重きを置くのか、軸足をどこに置くのかというところは、全体としてガンと持っていていいと思うんですね。マイノリティに配慮しすぎたあげく、当たり前のことが否定されて通らないというのはどうしても私は納得できない。
(略)
そういう団体の方たち(前田雅英氏の言う「漫画家集団」の事)に対する説明とか調査データもそうなんですが、極論を言うと、示す必要もないくらい当たり前、正論でガンと言っていいのではないかなと、そのくらい強く私は思います。


◆国会のレベルは低い (議事録P26)


〇前田部会長
芸術というんですが、類型的にある程度のところで、それも国民のコンセンサスが非常に難しいし、逆に与党の側で厳しくと言っていた人も、宮沢りえの写真ならいいのにみたいな動揺が見えちゃうところがあるんですよ。法案の審議ってあんなものなんだと思いました。


宮沢りえの「サンタフェ」が、芸術であろうがなかろうが規制すべき(議事録P26)


〇前田部会長
子どもの人権人権と言う有名な議員さんが、児童ポルノといっても宮沢りえのヌード写真集は芸術できれいじゃないか、あなたはそれでも禁止するんですかと言って、その人がアグネス・チャンさんにケチョンケチョンにやられちゃうんですね。
国会図書館でも閲覧禁止になっているし、その議員は何で見たのかといったら、国会質問するから無理やり見せてもらったんですと。アグネス・チャンさんが、15〜6の写真、そんなにあなた見たいんですか、これが何で芸術なんですか、芸術だと思う人はいいかもしれないけど、児童の全体の世界の流れの中で児童ポルノを考えるときに、あなた、18歳までなぜ待てないんですかと言われたときに、その人は言葉を失うんですね。


アグネス・チャンは論理的 (議事録P26)


〇前田部会長
でも、アグネス・チャンさんの論理的な説明であり、しかも情に訴える説明で、児童ポルノを禁止する、今禁止しているものそのものなんですけれども、それは非常に説得力があったと思うんですが、一番児童の人権と言っている人が、あの程度なら芸術的できれいだからいいじゃないですかと、平気で国会の場で言うということですね。


◆漫画と文学は全く違う (議事録P25)


〇新谷委員
この前も感じたんですが、出倫協の方がおっしゃった、文学でこういったふうになっているから漫画もいいんだと。漫画と文学は全く違うと思います。アニメ、漫画と言っているので、文学の世界でどういう表現が認められて、世界的な作家がどうというのは全く関係がない。今回はアニメ、漫画に特化していますので、文学として性表現がどうのこうのということと全く違うと思います。そこは分けて、それは違うとはっきり言えると思うんですね。文学の問題を、アニメ、漫画の問題に持ってくるのは、この前もおかしいなあと思ったので、それは違うと思います。



◆規制しようという意見に反論する事は暴力だ (議事録P28)


〇大葉委員(規制反対意見のメールが前田雅英氏のところに殺到している件を指して)
漫画家の方たちがすごい議論を持ってきて、何とか法制化するという人たちに対して攻撃をするということだったんですけれども、どう考えても暴力で、エビデンスを出す時間もない、必要もないぐらい暴力ですね。



◆成人向け漫画、青年誌を読んでいる人は障害者にしたい (議事録P29)


〇大葉委員
例えば児童に対する児童ポルノの愛好者の人たちが児童に悪影響を与えるとか、漫画のひどいものが出ているといったら、その人たちはある障害を持っているんだというような認識を主流化していくことはできないものかというのを、お話を聞いていて思いました。
(略)
性同一性障害という同じ位置づけで、子どもたちに対する性暴力を好む人たちを逃がしていくとしたら、障害という見方、認知障害を起している人たちという見方を主流化する必要があるのではないかと思うんです。
(略)
対策論の中に、そういった障害、認知に対して障害がある、感性だけだったら、暴力だということがわかっているんだったら、証拠もないのにという議論を突破できるような対策も考えていきたいなと思いました。


◆地域差別・優生学を推進して、漫画やアニメ愛好家達を差別しましょう。
(議事録P29)


○大葉委員
そういった性的に逸脱した行動に出るレベルとか傾向とかあると思うんですが、これらの被害を与える人たちの傾向、生育歴とか、神経伝達物質とか、どんな症状があるのかということで、医学的な面からも、そういった人たちの属性を明らかにして、保護者の人たちに、痴漢が出るから、あのエリアは気をつけましょうと同じように、今、私たち保護者が育てている子どもたちの中にも、将来、児童への性虐待をする子どもたちが育っていくことを防ぎたいと思いますので、長距離的なものと短距離的なものと、広範囲のものと、狭い範囲のものとで分けて、性に対する誤った認識を抱かせることを防ぐために、正しい認識はどうやって持たせたらいいのかというところも、東京都がリーダーシップをとってつくっていっていただきたいと思いました。





大爆笑。東京都の諮問機関ってヘイトスピーチありありなんだ。

「狂信者の漫画家集団」にたぶんフレーミングされている僕ですら、「有識者」の「見識」を深刻に憂慮しますよ。

どうやら前田雅英首都大学教授)と、この中でまさに「狂信的な」ヘイトスピーチを連発している大葉ナナコ(日本誕生学協会代表理事)は、かのナチスドイツで大流行した「優生学」の末裔だそうだ。基地外、障害者、性的マイノリティは断種して根絶してしまえ…というのが本音な訳だ。へぇ〜。

むしろ規制の現場に立っている「青山青少年課長」の方が現実的なのがなお笑える。



さんざん笑かしてもらった後で申し訳ないが、この異常事態はさすがに看過できぬ。

まずは、このヴァカどものトンデモ発言を天下に晒し上げつかまつる所から始めるとするか。