本当に旨いラーメン屋

カミさんと２人で横浜まで。目的はただ一つ、「内地で一番旨い旭川ラーメン」を食いに行く。

横浜駅から市営地下鉄に乗って「吉野町」駅下車。高速道路にほど近いひなびた店が「旭川ラーメン・ぺーぱん」である。とびっきり明るい道産子のママさんの作る旭川ラーメンは絶品である。

食事をしながらママさんと雑談。ぺーぱんの姉妹店の窮状を聞いて驚く。福島県原町市にある「ゆーから」というラーメン店は、転勤族や食通に絶賛される味だという。ぺーぱん直伝の味だと言うから、間違いはないだろう。ところが、地元民には全く拒絶されている。東北では昔ながらの「中華そば」に固執する人が多いからだろう。それどころか、名店として地元ＴＶに紹介されても「いくら払って出させてもらったんだ？」などと陰口が広がる有様。店主は病に倒れ、娘がパートをしながら細々と店を維持しているそうだ。
原ノ町という、ある意味コテコテの田舎でなければ、しかるべき評価を受けていたかも知れないだろうに、一介のラーメンマニアにとっても辛い話である。福島県浜通り近辺在住のラーメンマニアよ、「ゆーから」の窮状を救ってくれ！　さもなきゃ「福島県民は『幸○苑』の安っぽいラーメンごときで喜ぶ味音痴」といわれのない偏見まき散らすぞ！　……というのは言葉の勢いとして。



基本的に、行列してまでラーメン食いたいとは全く思わないので、近所に旨いラーメン屋があれば幸せな方だ。最近になってこの界隈も「田ぶし」「ゑびすや」「馬鹿豚や」といったそこそこ旨い店が増えてきたのだが、「ぺーぱん」一軒のために横浜に引っ越したいという衝動はなかなか抑えがたい。……そんなことを書いていたら、また食いたくなってきた。あぁ、悩ましい。