暴力反対。

johanne2003-11-14

こんな記述を見つける。

兵庫7区のひとこま 投稿者:菊  投稿日:11月12日(水)23時06分02秒


関西の友人から兵庫7区の様子を少し聞いた。

土井対大前の選挙戦で、自民党有本恵子さんの両親が地元在住だということもあって、
この二人を前面に立てて、救う会の佐藤勝己等も西宮入りして大前支援集会をやるなど、拉致問題をテーマにした選挙を行ったことはメディアでも報道されているとおりだ。

しかし、最新号のアエラでは少し報道されていたが、熾烈を極めた土井たか子に対する様々なレベルでのネガティブキャンペーンはほとんど報道されていない。インターネット上でもふれる人がいないので、その一端だと思われるが、聞いたことをいくつか書いてみる。

まず、選挙ポスターに対する妨害がひどかったようだ。
公営掲示板の選挙ポスターはチャッカマンのようなもので、目と口を焼かれる。ポスターごと破られる。ポスターに有本恵子さんの写真を貼り付けるなどがあちこちで行われたという。

また、「土井たか子の首をとれ」という非常に露骨なキャンペーンも執拗に展開された。「首を取れ」というステッカーが貼られ、大前の選挙部隊とは別に「日本を救う会」という宣伝カーと大量の動員者による
キャンペーンが繰り広げられたという。

さらに、11月はじめから、秘書給与流用事件で全国3000人にアンケートしているという録音テープの電話が無作為にかかり、党首や社民党に責任があるかどうかを番号でプッシュして回答するように要請したという。ないと答えた人には、後から土井事務所を名乗って、「事件は誤解だ」、あると答えた人には大前後援会を名乗る人物から「苦戦しているので支援を」との電話がかかってきたという。

はるか昔、参議院選挙や地方議会の選挙をやった経験からすると、強力な裏選対が作られて、そのもとで今の時代状況をうまく生かして、土井候補の弱みを突く、極めて戦略的で重層的なネガティブキャンペーン
強力に繰り広げられたという印象が強い。

例えば、選挙ポスターを破いたり、火を付けたりするのは生半可ではできない。

選挙ポスターにシールを貼り付けたという話を聞いて、かつて中選挙区の頃、自殺した新井将敬のポスターに、石原慎太郎陣営が「朝鮮に帰れ」というステッカーを貼った事件を思い出した。

「首を取れ」という合い言葉は、自民党の鴻池大臣の「市中引き回し」発言を思い起こさせる。また、「拉致問題」の焦点化のさせ方は、沖縄県知事選挙で太田昌秀に対する広告代理店を使った「県政不況」キャンペーンを彷彿とさせる。

そして、最後の電話を使ったスクリーニング(ふるい分け)は今、最も効果的なマーケティング手法として注目を浴びている電話とコンピュータを使ったやり方の応用だ。

その分野は私の専門なので、やり方はよくわかるのだが、音声自動応答のテープを流して回答を集め、スクリーニングして、さらにフォローの電話をかける。そこまでの大規模な展開はNTTなどの大手企業が開設しているコールセンターをレンタルで借りて行う以外にない。
それを借りるにはかなりのお金が必要だし、大手代理店や企業などのように、よほどの信用がないとそもそも、貸してくれない。

こうした戦略的なキャンペーンに対して、昔ながらの選挙戦術では歯が立たないのははっきりしている。

社民党の主体的な問題や左派の弱さについては、ここでは触れないが、
ナショナリズムや排外主義的な風潮が非常に強まる中で、自民・民主とは別の第3勢力の可能性が小選挙区で出てきて、それが自民・民主と競り合うような形になると(あり得ないかもしれないが、可能性として)、今回の兵庫7区のような包囲網が確実にしかれる。そこでは、自民や民主と同じ土俵に乗らず、それをどう打ち破っていくかが大変重要な課題になると思う。

http://6305.teacup.com/mappen/bbs

土井氏や社民党を擁護しようと言うのではない。拉致問題に携わる人々を誹謗したいわけではない。
ただ、いつの時代にも、尻馬に乗って欲望と暴力をむき出しにする下劣な連中がいて、それを利用する下劣な強者がいる。自殺した新井将敬との選挙で、石原慎太郎陣営が「朝鮮人」攻撃をやったという事実すら、今は忘れられている。

僕は、あらゆるテロリズムを擁護しない。パレスチナの抵抗であっても、アメリカ帝国主義への報復であっても、アナキストの決起であっても、反日活動家の血債の思想であっても、自由主義を守る名目の戦争であっても、祖国防衛を謳う将軍様の指示による拉致であっても、スーパーフリーのノリだけの輪姦であっても、戦旗共産主義者同盟を批判する自称右翼活動家への暴力であっても、対立する一方の人権を人権の名の下に抑圧する「正義」であっても、「殺す」「沈黙させる」ことで目的を果たそうとするあらゆる暴力を総じて「テロリズム」と呼び、そうした行為を許さない。