「30代・無職・だめ・ヲタ&ロック魂」映画の金字塔。

スクール・オブ・ロック スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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TVコマーシャルでこれの予告を観たとき、(あれ?どっかで見た役者が…)と思い、しばらくして去年の日誌*1でちょこっと触れた「ハイ・フィディリティASIN:B00007GRGD」に出ていた「屁理屈の多いハゲデブのレコヲタ店員」役のジャック・ブラックであることに気づいた。これは気になる。もたもたしているうちに見逃してしまっていたが、たまたまDVDを借りて観た。

マジヤバ。

監督は違うが、これは明らかに「ハイ・フィディリティ」の続編とも言うべき。30代・無職・だめ連系の主人公・デューイが気弱な教職志望の元・バンド仲間になりすましてパッとしない地方都市の私立名門小学校の代用教員に潜り込む。はっきり言って良家の子女にとっては「珍獣」「アウト・オブ・フェンス」なデューイだが、こいつの最大の武器は「湧き出る小理屈&狂気のロックスピリット」だった。たちまちガキどもは巻き込まれ…あらすじはイイや。とにかくスゲェのは、ジャック・ブラック演じる主人公がガキのハートを打ち抜くために、誉める誉める。マジモンで賞賛する。観ている途中で思わず
「これはオレのための映画じゃないか!」

などと叫び出す始末。一瞬で理解したこと。そうだよ、僕らはずっと、誉められたかった。でも気づいたら、こんな風采の上がらないダメヲタ中年になり果てていた。だからこそ、敢えて、誉めよう。イカしてる、カワイイ、面白い、クール、感動した…すべてのモノを褒め称えよう。

とはいえ、ルサンチにまみれたダメヲタにとって、これほど困難な作業はない。つまらないモノ、気に入らないモノを罵倒し、揶揄し、決めつけ、揚げ足を取り、斜に構えてこじれた講釈を垂れることで、ちっぽけな自分を大きく見せて自己防衛してきた。積年のこじれは、そう簡単に修正できない。「被承認欲求を捨てて、ありのままに生きよう」なんて抜かしやがる連中に限って、劣等感とこじれた魂の固まりだったりするんだ。「ありのままに」認められたり、誉められたかったりする、たいしたことない自分がそこにいるんだ。だから、自分がそうされたかったように、他人にしてあげよう。そうすれば、気まぐれなカミサマはもしかして、僕やあんたを省みてくれるかもしれない。……まぁ、いまが辛いヤツは黙って観れ。オススメ。

一気に書き散らしたら疲れた。「華氏911」については、次回。