いやなユメを見る。
夢の中に出し抜けにウサマ・ビンラディンが出てきやがった。
白壁の部屋に通されると、ベッドにヤツが横たわっている。全身で身構える。よく見れば、さほど命は長くなさそう。
優しい眼。憐れみと悲しみと慈愛に満ちた眼。(騙されるかッ!お前は何をしてきた?!言ってやる、腹の底から罵倒してやる!)心の中で、そう叫んでいる。
ヤツが何を言ったかはよく憶えていない。ただ、それが遺言だと言うことは理解できた。オレに、オレ達に向かって、何を遺すと言うんだ?!
最悪の気分で目が覚めた。
亡くなった親父の夢も見た。実は死んでなくて、失踪していた親父が二十数年ぶりに戻ってきた。オレは、どう接していいのかわからない。親父も、挙動がぎこちない。悪罵の言葉も、恨み節も、言い訳も、これまであったことも、うれしい感情も、お互いに語れないまま、午後の日差しの中に佇んでいた。
理解されることより、理解することを、愛されるより愛することを、腹の底からオレに望ませてくれ。頼むぜ、イエス。そうでないと、チンケなオレは堪えられない。