山本一族の謎。

妹から突然連絡があり「いま、新宿にいるんだ。伺ってもいい?」と。

おいおいおいおいおい!ダンナは?子どもは?何があった?!…などと心配するまでもなく、ふらりとやってきたのだという。

それなりに、人によっては「カワイイ」との評価もある妹がいながら「妹萌え」属性皆無なのはなぜか。高校卒業と共に北海道を飛び出した僕にとって、妹の記憶は幼かったときのものだ。それがいつの間にやら、しっかり山本(父方)や鎌田(母方)の「女系一族」に恥じないタフな女になっていた。考えてみれば、北海道という土地柄も、女を強くさせる。歴史が浅いと言うことは、因習や縁故といったしがらみも浅いと言うこと。妹が愚痴るのは、当然そうであるべき「因習や縁故」に拘る人々の悩みだったので、とりあえずエールを送っておいた。

その後、妹とカミさんは新宿二丁目に消え、へべれけのカミさんだけが帰ってきた。

なんでこんなことを書いているかというと、「夕凪の街 桜の国」を読んで、「家族とか血脈」みたいなことに思いをはせていたから。今度帰省するときには、伯父伯母の体験の聞き取りをやりたいと思っている。「いま」も大切だが、なぜ「いま」があるのか?そのルーツをはっきりさせておかないと、平気でウソをつく連中が出てくる。