マンガ「嫌韓流」読了。

johanne2005-07-30

杉並区では「つくる会」教科書の採択阻止運動というのがあって、街頭署名とかやってます。配布されているビラの中に4ページのマンガビラがあって、それ欲しさに署名しました。中身はまぁ、通り一遍なアジテーションなのですが、ヒロインのキャラが妙に味がありまして。いいじゃないですか、この「自分の意志です」とか見得切る時の後れ毛とか。萌えポインツです。

ウェブでのマンガ「嫌韓流」に対する反応として、「取り上げること自体が利敵行為だし、汚らわしい」といった切り捨て方を散見します。でもなぁ、売れちゃってるのは事実だし。批判するにしても、とりあえずは読んでおくべきだと、自称「啓蒙エロマンガ家」としては考えまして。休憩がてらざっくり読みました。

……正直、お勧めしません。感想を箇条書きしますと、

  • マンガとしては論外。プロパガンダの手法としても強引すぎ。断片的なツッコミを無理くりつぎはぎするだけなので、あまりの単調さに疲れが増す。これだけ見事につまらないと、別の意味で感心はする。
  • 絵柄は小器用な素人レベル。アジビラとしてはうまいという程度。ハンパに漫研くさい分イラつく。
  • 主張はいわゆる「嫌韓厨」が取り上げているものの繰り返しで新鮮味なし。事実と憶測と偏見が混在した先に大見得切った結論が単なるレッテル貼りの羅列では、フツーにナメられますよ。

……といったところ。
ゴー宣と比較すると、よしりんはなんだかんだでプロのマンガ家なんだと実感します。

まぁ、嫌韓厨に辟易している方々にはお勧めしますよ。「まとめ本」としてツッコミ所の研究には役立つでしょう。ってか、そのくらいていねいにかまってやれよ。「サヨクプロ市民」の言いぐさは、いちいち高みから小馬鹿にする教師の説教みたいだから嫌われるんだよ。このマンガに描かれている「サヨクプロ市民」のすさまじい形相が、彼らのような若者(かどうかは知らんが)と左派との「断絶」を端的に表しているよ。

ってなことを考えながら読み進めると、意外にも大月隆寛の寄稿が面白かった。「自虐と嫌韓ーー嫌韓厨考」と題された短文は、その他のウンコな寄稿と一線を画していた。大月の文章だけ立ち読みする分には、是非ともお勧めしたい。……ホントに不意打ち。不覚にもほんのちょこっと、大月隆寛を見直してしまいました。むぅ。