【映画】「ヒトラー・最期の12日間」「オールド・ボーイ」
作業の合間に枯渇している創作脳を活性化すべく、DVD鑑賞をノルマにしてみた。幸運にも2作品続けてアタリを引いたので、さっそく紹介。
ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: 日活
- 発売日: 2006/01/14
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こういった大作は得てして細部の描写にツッコミが入って辛口の批評になりがち。映画マニアと言うほどの鑑賞本数も知識も蘊蓄も持ち合わせない僕には充分楽しめた。ありきたりな感想だが、ヒトラーやナチ党員を「モンスター」として(あるいは逆説的な「英雄」として)描くフィクションは、啓蒙的、教育的配慮という恣意性から逃れられない。その上で、ドイツ人自身の手で、等身大の卑小な人間群像を描こうとした決意が、無難な教訓を導き出して姑息しようとする「平和国家の小市民」を動揺させる。
ベルリン地下要塞の狭く息苦しい迷路を行きつ戻りつするカメラの視界が不意にひらけると、そこに広がるのは無惨な廃墟だったり、炸裂する爆風だったり、遺棄された老人病棟だったり、錯乱したヒトラーが存在しない兵力を地図上で弄ぶ光景だったりする。狂気を描くのに狂人が登場する必要はないのだ。そこにいるのは、悪夢を貪る人と、悪夢から醒めても逃れられないで呆然とするただの人間たち。
観て損はないと思うよ。エヴァ・ブラウン役が松金よね子そっくりなのもなかなかに良い。
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2006/03/24
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互いの愛情と憎悪が肉体と精神の破滅を賭けて拮抗する「復讐」の凄まじさ。暴力とエロティシズムの描写は悪魔的な甘美さすら憶える。なぜに韓国は映画だけが特権的な表現の自由を謳歌しているのか? 韓流ドラマやマンガ・アニメを揶揄したくらいでいい気になってる場合じゃないぞ、日本人!
主演のチェ・ミンシクはどことなく頭脳警察のPANTAさんを彷彿とさせる。ユ・ジテ演ずる仇役の回想に登場する薄幸の美少女はかなりツボ。万が一、女優さんのプライベートはメガネっ娘だったとか聞かされた日にゃ…はうぅ(以下悶絶)
本作を含めて、パク・チャヌク監督の「復讐3部作」と呼ばれるらしい。今の仕事が終わったら、とりあえずビデオ屋に走るつもり。