嫌がらせだ、ひどい!
日曜日に、鹿島拾市らが主催した中国映画「鬼が来た!」上映会に行く。
鹿島のレポは以下の通り。
http://blog.livedoor.jp/kaxima101/archives/22211350.html
で、件の「鬼が来た!」。
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まんまとヤツの嫌がらせに乗ってしまって、上映後の交流会ではひとりまくし立てる。僕が「反日デモ」に違和感を感じた最大の理由は、彼らの「顔」が見えてこないことだった。非難する側も、擁護する側も、すぐ隣の国で激高している「他者」の「顔」を確かめようともしないでやり合っている。そこに、絶妙なタイミングで見せられたこの映画は、激しく僕を情緒不安定にさせる。
映画に描かれる「他者」としての中国民衆と、彼らの視点から見据えられる「ニッポン人」の姿は見事としか言いようがない。かつて、これほどまでに「ニッポン人」を衒いなき「人間」として描破した「外国映画」があっただろうか? 監督・主演の斐文姜文の観察眼に敬服し、この映画が語りかける「反・政治」の視点に「隣人からのメッセージ」を受け取る。中国本土では上映不可というのもまた、示唆的である。
中国という巨大な「他者」と批判的であれ、肯定的であれ向き合おうと勉める人間は一度、観ておいた方がいいだろう。自国の戦争責任の象徴である「靖国問題」を捉えて「罪を憎んで人を憎まず」などと返答する小泉純一郎のような「ニッポン人」が、映画の中で「生き生きと」動いているシーンを思い起こすと、まだしばらくは胸くそ悪くなりそうだ。こんな嫌がらせなら、たまにはいい。