一兵卒として。

johanne2007-04-05

やれるだけのことをやる。口先だけで何もしないで、あとで後悔はしたくないのだ。



一ヶ月前。僕は友人*1の「都知事選立候補表明イベント」の司会に駆り出された。そこで、当人のナルシスティックな語りと行き当たりばったりのプランに絶句し、そこに居合わせた団塊オヤジたちの腐りきったニヒリズムにぶち切れ、「たった今決めた。俺は浅野史郎の選挙支援をする!!」と宣言してしまった。



最初は「今のど腐れ都知事の泣きっ面を見せてくれる対立候補なら誰でもいい」程度の覚悟だった。最初に仕掛けたイベントも、別に浅野史郎が来なくてもいいような、僕自身の決意表明のような集まりだった。



それなのに、彼はやって来た。小心者の「閣下」が最も毛嫌いし、大名行列のような「視察」に迷彩服を着て乗り込んで来たあの「新宿歌舞伎町」の象徴のような「魔窟」新宿ロフトプラスワンに電車に乗ってふらりと入って来た。

マイクを受け取るなり、十八番のエルビス・プレスリー絶唱し、ステージを降りて客席を廻り、「少数派」の悲鳴に近い訴えをひたすら受け止めた。



こいつは何者なんだ?!



本番前日の午後になって「参加します」という私設秘書からの電話を受けた時、卒倒しそうになった。その晩は完徹で、トークライブの構成をやり直すはめになった。店のオーナーからは深夜1時に「どうなってるんだゲンダぁ?! こっちは聞いてねぇーぞ?! マスコミ対策なんて何も考えてないぞ!!」とまくしたてられた。こっちだって準備もクソもないっつーの。



それ以来、ずっとこの気まぐれな大将に振り回され続けている。僕の周囲の人間は激怒し、呆れ果て、さもありなんという説教を叩き付けて来た。非難と否定が、逆に僕を奮い立たせた。



もうこれ以上、負けっぱなしは嫌なのだ。



♬「王様は裸じゃないか」

♬「あきらめるなんて、死ぬまでないから」

♬「終わらない歌を歌おう、すべてのクズどものために」



僕の頭の中で、ブルーハーツがやかましく挑発する。40男が、20年前の意趣返しに立ち上がるなんて愚かにもほどがある。これは、愚かな独立左派が無名の一個人として、雑兵として参戦したレコンキスタの、ほんの始まりに過ぎない。



4月2日に雨宮処凛やウチの実姉らと渋谷の路上で描いた手描きポスターを、昨日、今日と貼りまくっていた。それは、一兵卒としての本隊への無言の抵抗と、くだらねぇ敵の驕りが後悔に変わる勝利への可能性だと自分に言い聞かせる「俺自身の戦い」なのだ。





「孤立を求めて連帯を恐れず」



勝ち負けはもはや関係ない。僕は、僕の戦いを再開する。




*1:ただいま"You Tube"等で大人気の泡沫候補