Aの”自決”

古くからの知人であったAの訃報。札幌では知る人ぞ知る「伝説の人」だった。

いつも、Aは某かと戦っていた。僕はその余裕のなさが、多少なりとも苦手だった。



内申書裁判」の原告だった保坂展人青年の処女作「麹町中学に死の花束を」を今はもうない札幌のミニコミ喫茶「ひらひら」で購入した際、本の末尾にAが自署したしおりが挟んであった。何かにつけ、騒ぎを起こす高校生だった僕は、先輩であるAと比較されたりもした。「たたかう高校生」なんてのが絶滅危惧種になってた時代だ。



実際、Aはよく戦った。もういい加減、休養してもいいはずだ。

Aは遺書に「自決する」と綴った。その「自決」は「自己決定」の略だろ! とツッコんでみたりする。



Aの死を悼む。